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2013年11月 1日 (金)

Alan Colquhoun, “The Concept of Regionalism,”Postcolonial Space(s), edited by G.B.Nalbantoglu and C.T.Wong, Princeton Architectural Press, New York, 1997

Region

地域主義という概念について述べたものかというと、そうではない。前半はテンニースのゲマンインスアフト/ゲゼルシャフトやドイツ系の文化/文明というお馴染みの議論が続く。

後半は批判的地域主義について触れられる。直接言及されているのはツォニス+ルフェーブルの「批判的地域主義」概念であるが、ケネス・フランプトンの批判的地域主義概念をこれに置き換えて読むことも可能かと思われる、それもむしろ議論を補強する方向において読むことも可能かと思われる。ジャック・ヘルツォークのタボルの住宅(1985-88)、アルバロ・シザのデンハーグの集合住宅(1985-88)が具体例として挙げられている。

前者についてメモ。「合理化の適用への抵抗からは程遠く、元々の地域建築における統合の残滓がばらばらとなり断片化し、元々の文脈から引き裂かれてきたことを示唆することで、そのことを確信させる。この視点をとるなら元々の全体性における元々の内容を取り戻そうとすることはある種のキッチュに結果するであろう。地域主義や文化やゲマインシャフトへの唯一可能な態度はそれゆえアイロニーということになろう」「今日の興味深いデザインは地域的な素材や類型や形態論を参照しているというのは本当である。だがそうすることでその建築家たちはある特有の地域の本質を表現しようとしているのではなく、オリジナルで特異で文脈にあった建築的理念を生み出すための構成手続として地域的特性をモチーフとして用いているのである」「この建物を統合と読むのは不可能である。むしろ終わりないテキストなのである。ここに見出されるのは「地域主義」なのではない」「この建物を考えていると、その一つが完全に確信されるか拒否される多くの仮説のあいだを揺れ動く」(19頁)。

後者について。「これは既成都市形態を芸術文脈へと説明付ける都市価値の自発的解釈の結果である。これは地域的生活の伝統の肯定なのではない。地域の自律的文化と結びついていた建築的コードは随分前に解き放たれている。選択の問題である。地域主義や伝統主義はそれゆえモダニゼーションや合理化の裏の顔に絶えず蠢く普遍的可能性として見れるかもしれない」(20頁)。

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